チョコを受け取らないあなたへ。

一人暮らしの日記
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もうすぐ、バレンタインデーですね。チョコレートを作っている方も多いでしょう。あるいは、チョコを貰おうと期待を抱いている方もいるでしょう。そして、チョコを受け取らない!と考えている方もいるでしょう。お返しが面倒だから、と言って。

しかしどんな気持でもどんな理由でもチョコを受け取って欲しいです。でないと、後悔します…。

この記事は、私の体験を元に皆さんへのお願いを伝えたいのです。では、いきましょう。

受け取ってもらえないと悲しい。

忙しい方のために、先に結論を言います。

チョコを受け取ってもらえないと、非常に悲しいです。その場で涙を流したくなるほどに悲しいです。胸がキュウっと締め付けれるように苦しいです。なので、たとえどんなチョコレートでも受け取って欲しいです。

手作りでも、既製品でもきちんと受け取って欲しいです。

これは、誰かの体験談

今日は、バレンタインデー。中学生の男子には、非常に楽しみだった。

「おはようございます」と昇降口にいる先生に挨拶した。いつも通りの登校。そして、下駄箱をみる。もちろん、何もない。

いや、期待してたとかじゃなくて、ね。普通に考えて、チョコを下駄箱に入れるとか汚いやん。衛生面から見てもよくない。だから、安心したのよ。

私は、上履きを半ば乱暴に取り出し、靴を取り出した。教室に向かう階段途中で胸の高鳴りを感じる。教室に入ると、甘い香りが漂う。女子同士でチョコを交換しているのだ。一部、男子にも友チョコを渡している。

そんな中努めて冷静に私は、自分の席に座った。そして、きちんと教科書を机に入れようと机の中に手を伸ばす。うん、特に何もない。教科書がキレイに入るぞ。と私は、教科書を机に入れた。

その日、特に何もなかった!と思った昼休み

廊下を歩いているとある女の子に遭った。その子は、私に「チョコあげるよ」とチョコをくれた。同じ塾に通う友人なので、友チョコだ。

しかし私は、「要らない」と断った。

その女子は、何事もなかったように、いつも通りの顔で「なんで?」と訊いた。私は、平然と「お返しが面倒だから」と答えた。「お返しは、良いよ。」と彼女は、言った。しかし、私は強引に「要らない」とまた答えて、その場を後にした。

放課後の部活である。部活に行く途中の階段、また彼女に会った。こちらの目を真っすぐに見て、「本当に要らないの?」と訊かれた。他の生徒が、颯爽と2人の間を過ぎる。私は、視線を外し、少し間を置いてから「うん」と答えた。

階段を少し降りると、後ろの方から

○○!これいる?」と彼女の声。

え!マジ、くれんの?」と誰かの声。

うん。なんか余っちゃって。

マジ!サンキュー!

 歩きながらだったからか、部活のことで頭がいっぱいだったのか。本当にこんなことがあったのかは、今では分からない。

これは、誰かの後悔

その日も私は、いつも通り夢中で部活を行った。誰にも負けじと声を上げ、ぜぇぜぇと息を吐いても体を動かすことをやめない。

部活が終わる。いつも通り挨拶をして終了する。しかし、そんな中。同級生の女子がみんなにチョコを配っていた。私も受け取る流れが来て、どうも断ることができず受け取った。

帰り道、部活の友人Aに、ある女子生徒からのチョコを貰わなかったことを話した。

「可哀そうだぞ。」

「え?」

「今から戻って貰った方が良いぞ」

「いや、でも。いないかもしれんし・・。」

「マジで戻った方が良いって」

「いや、いいよ。」

「お前・・・。」

今から帰っても教室にいるかもわからない。それにチョコを貰わなかったら、自分で食えるやん。そこまで仲いい奴でもないし。だから、わざわざ戻る必要ない。うん。大丈夫だろ、多分。あと、誰かに渡してたような気もする。

私は、無意識にしなくてもいい言い訳をしていた。少し肌寒い。未だ、春の訪れを感じなかった。どうするのが正解だったのか。

オレンジに染まる空の下、黒いコンクリートを見ながら帰った。

これは、誰かの理解

ホワイトデー。私は、基本的に手作りは手作りで返す。既製品なら既製品で返す。これが私のルールだ。

2日ほど前に、私は手作りのチョコケーキ?を作った。このチョコケーキは小学生の頃に1度作ったことがあるので、自身がある。材料もすぐに揃い、パパっと作ったのだ。

私は、こじゃれた袋にチョコケーキを入れ、学校へ向かった。

いつも通り授業を終え、部活をする。誰よりも必死にがむしゃらに練習に励む。息が切れても苦しくても、気を緩めることはしない。

部活終わり、変な緊張感がある。部長が挨拶をした。私の声は、覇気がなかった。聞こえているのは、自分の心臓。見えているのは、彼女一人。考えているのは、チョコレート。

挨拶が終わり、部活は解散する。私は、荷物の横にある袋を取り出し、向かった。そして、足元にあった荷物を見ながら、「これ、お返し」と渡した。

・・・

「要らない。いい」

「え?要らないの?」

私は、焦りを見せまいと少しゆっくり答える。

「うん、大丈夫。」

私は、そっかとも答えず、荷物の場所に戻る。ぎこちない笑顔で近くにいた友人Bに話しかけた。

「これ、おいしいからラッキーだわ。自分で食えるし!」

「・・・」

戸惑った表情をしていた。

そして私は、大丈夫だと自分に言い聞かせていた。これは、ラッキーなんだと。そんな時。

「失礼だよ!」

友人Cが彼女に言った。

「貰っときんさい」

顧問の先生も仰った。

「じゃあ・・・。」

と彼女は、承諾した。だから私は、再び彼女のもとへ行き、まっすぐに目を向けて、私のお返しを渡した。 

これは、誰かの決意

ああそうか。あの子もこんな気持ちだったのか。受け取ってもらえないってこんなに悲しいものなのか。恋愛感情がなくたって、ただのプレゼントだって、受け取ってもられないのは、悲しいのか。

なんで、俺は分からなかったんだ。どうして、受け取らなかったんだ。どうして、あの時、教室に戻らなかったんだ。この薄情者。

・・・

次からは、きちんと受け取ろう。どんなチョコでも。受け取ってもらえないのは、悲しいから。

オレンジ色の空の下、沈んでいく夕日を見て帰った。

・・・。

でも次の年、部活の同級生以外からチョコを貰うことはできなかった。貰うことが出来なくて、悲しいとかそんなんじゃない。もう、間に合わなかったのだ。

ついに私は、贖罪することさえできず、後悔だけが心にある。お返しが面倒だったんじゃない。チョコを貰った時、照れ臭くて、変な気持ちになった。恋愛感情ではない。だから、そんな気持ちになるのが嫌で、断ったのだ。

こんなくだらない理由でもらわなかった。この薄情者。

・・・

もし、これを読んで下さっている方がいたら、チョコを貰ってあげてください。私にはもう変えることはできないから。

最後までご清覧ありがとうございました。

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